「あー 香穂 かわいいよぅ〜」


放課後、クラスメイトとメイクをして遊んでるところ。


私はあまりこういうの詳しくないから教えてもらってるんだ。


「えぇ・・派手じゃない?」


口紅の色は赤みを押さえたピンクベージュ。


「その色って口紅っぽくないし、全然派手じゃない〜 似合ってるよ。 火原先輩も喜んでくれるよ〜」


そんな友達の言葉に1人赤くなってしまう。


先輩、気付いてくれるかな?・・・・・











=First Rouge= Kazuki H. × Kahoko H.










「あ、先輩 お待たせしてごめんなさい」


「ううん、俺も今来たところだからさ。 じゃぁ帰ろっか」


校門で待ち合わせて一緒に帰るのがコンクール中からの日課になってた。


それは付き合い始めても変わらず、こうやって毎日一緒に帰ってる。


1つ変わった事といえば・・こうやって手を繋いで帰ってることかな。


それにしても・・・やっぱ気付かないかぁ・・


「先輩・・」


「ん? 何? どうかしたの?」


相変わらずニコニコと笑みを絶やさない先輩。


「いえ、なんでもないです・・」


はぁ、やっぱ気付かないか・・


男の人はこういうのに鈍感だっていうもんねぇ。


「ねぇ、ちょっと公園寄ってかない?」


半ば諦めてた時、先輩に公園に行こうと誘われた。


「はい!」


少しでも長く先輩と一緒にいられるのはとても嬉しい。


公園に着いてベンチで座っていても先輩は何も話をしようとしない。


さっきまでは普通にお喋りしてたのに・・


何故かモジモジして落ち着きがないっていうか。


「先輩? どうかしました?」


あまりにもいつもより口数が少ない先輩に少し不安になる。


「あ、あのさ・・」


先輩はチラっと私をみてすぐ目をそらす。


「先輩?」


「あ・・あの・・今日、香穂ちゃんお化粧してるの・・?」


そう言われて一瞬なんのことか分からずポカンとしてたけど・・・


「あ! 先輩気付いてくれました? お化粧って言っても口紅しかぬってないですけど」


私の一言にあさっての方向を見てた先輩がばっと私の方を見てくれた。


「気付くよ! 会った瞬間気付いたよ!」


その勢いにびっくりした私はそれと同時になんだかとてもおかしくなってきた。


「だって先輩 何も言ってくれないから」


ちょっぴり拗ねてるフリ。


「ごめん!何て言っていいのか分からなくって・・その・・すっごく似合っててびっくりしちゃって・・その・・」


真っ赤になってモジモジしてる先輩を見てたらからかいたくなるんだよね。


「あはは 嘘です。 怒ってなんかいないですよ。 少しからかっただけです」


そんな私にぷぅっと頬を膨らませてたけど、そこが先輩の可愛いところ。


「ところで・・この口紅ってすぐ色落ちちゃうの?」


 っていきなり先輩が聞くから・・


「いえ、これ何か食べたり飲んだりしても落ちない口紅で有名らしいですよ」


「ふ〜ん・・じゃぁ・・」


いきなり先輩の顔が間近に来たと思ったら唇を塞がれた。


一瞬だったような・・とても長かったような・・ いつもより少しだけ力強いキス・・


「ほんとだ。 全然落ちないね」


そう言って笑ってる先輩は悪戯が成功した子供のようで・・


「先輩、ずるい・・」


いきなり男の人になるんだもん・・


今度は私の方が真っ赤になって動揺しちゃって。


「香穂ちゃんがいけないんだぞ。 そんな可愛い唇だから・・」


そう言って、再び先輩の熱い唇が降ってきた。








 ―その唇・・・犯罪―














同じく『愛玩少女』のノエ様からいただいて来ました
口紅シリーズ(勝手に命名)の火原くんバージョンですね〜♪

『元気な仔犬』な火原くんも、『男』の顔をした火原くんも
どっちもステキです
いや逆に、普段のギャップからドキドキ度UPでしょうか(^^)


こんなステキな創作が出来る人っていいなぁ。
ウチはイラストばっかだから。憧れです。

ノエ様、ありがとうございました




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